テレビの未来

ネット時代にテレビはどうなるのだろうか。

テレビはやがてネットに置き換えられてしまうのか、それとも並行するのか、また、そのように役割分担をしていくのだろうか。

 

まず、テレビからインターネットへ覇権交代が起こるとして具体的にはどういうことか、三つの段階に分けて考えてみる。

第一段階: 人間がテレビを見る人間がテレビを見る時間よりもインターネットを見る時間の方が長くなる。テレビ端末とネット端末が併存し、消費者は両方とも所有する。
第二段階: テレビ番組はネット端末の一機能になる。テレビ端末とネット端末がネット端末が融合してネットテレビになる。
第三段階: テレビ番組の伝送路が放送波ではなくインターネットに置き換わる。テレビがなくなり、ネットテレビを含むネット端末だけになる。

 

現在、第一段階が若年層を中心に進行しており、第二段階に移行することを想定して、いろいろなプレイヤーがつばぜり合いを始めているといった状況だろう。第三段階まで進むと想定している人は、まだ少ないかもしれない。しかし、少なくともテレビなしでテレビがこれまで果たしていた機能をネット端末で賄うというのは、現時点でも起こっている出来事だ。いずれテレビ自体が不要になる可能性というのは、十分に検討に値するだろう。

 

もうひとつの切り口としては、本当に第三段階に進むとしてテレビ番組を放送する主体がだれになるのかということ。つまり、主体がテレビ局ではない可能性もあるということ。

 

そしてその場合に、テレビ局に対応するネットサービスはそんなものだろうか。現時点では大きく分けてVOD(ビデオオンデマンド)系のサービスと、ライブストリーム(生放送)系のサービスの二種類がある。

 

そしてさらにVOD系も二つに分類ができて、一つは主に無料で提供されるYouTubeニコニコ動画などの動画共有サイトと呼ばれるもの。もう一つはHuluやNetflixのような定額課金制の動画配信サイトがある。

 

VOD系のサービスではユーザーがみたい動画を好きなだけ見ることができる。

もう一方のライブストリーム系のサービスとは、撮影した映像を生放送としてリアルタイムで配信するネットサービスだ。代表的なものはUstreamやニコ生などがある。

 

テレビの役割がこれらのネットサービスに置換されるとしたら、テレビの果たしている機能をVOD系とライブストリーム系のどちらに対応するものか分けて考えると、いろいろ整理できると思う。

 

 

結論を先に書くと、テレビが果たしている機能でVOD系の要素が強いものはネットサービスで置き換えられるが、逆にライブストリーム系の要素が強いものは、テレビがまだまだ優位性を保つだろうと思う。

 

未来のテレビとネットの役割分担がどうなるのかを考えるときには、まず、従来のテレビが依拠している電波を利用して映像を表示する方法と、インターネットによるデータ通信を利用して映像を表示する方法とでは、いったいなにが違うのかを明確にする必要がある。

 

テレビ業界がネットにどう対応するべきかというと、すぐインターネットは儲からないだとか、とかくビジネスモデルの話になりがちだが、まずはメディアとしての特性が従来のテレビとインターネットではどのように違うのかを、技術的な観点から整理して考えることが基本だと考える。

 

テレビの特徴は、同時に同じ映像をあるエリアにいるすべての人々に、テレビとアンテナさえ持っていれば伝えることができることだ。その代わりチャンネル数には制限があって、伝えられる映像の種類はチャンネル数と同じだけしかない。

一方、インターネットの特徴は、チャンネル数がほぼ無制限であるということ。その代わり映像のような容量の大きなデータを同時にたくさんの人に伝えるのには向いていないというか、現状の放送インフラとしてのインターネットの性能では、不可能であるということになっている。

 

また、テレビは規格がきっちりと決まっていてなかなか変更できない。変更するにはアナログテレビからデジタルテレビへの移行のように、ほとんど国家プロジェクトになってしまう。

一方、インターネットでのサービスは自由度が高く、企業でもあるいは個人でも新しい映像サービスをつくりだすことは可能だ。ざっと考えてみる限りは、インターネットの方がチャンネル数の制限もないし、新しい映像サービスにチャレンジしやすいので、長期的には有利。

 

ビジネスモデルの問題を除けば、インターネットの唯一の欠点は、テレビほど大勢の人に映像を配信するのは現状のインターネットのインフラでは不可能であるということのように見える。

しかし、これは根本的な問題でもあるので、逆に言うとインターネットの現状のインフラの性能では、そもそもインターネットがテレビに完全に取って代わることは不可能だということになる。

 

ただ、将来的にインターネットのインフラの性能が向上すれば、完全にテレビに取って代わるということも有り得るのではないか?また、現時点でも、完全でなくても部分的にであれば、取って代わることは可能なのだろうか?

 

このようにテレビとインターネットの今後の関係を考えるときに、放送インフラとしてのインターネットの性能がどれくらいで、今後、どれくらい向上するのかは非常に重要な基礎データになるでしょう。そして放送波をインターネットによるデータ通信で置き換えることがインフラ的に可能になったとして、そもそもインターネットに置き換えるモチベーションが視聴者になければ意味がない。

 

テレビよりも機能追加が楽なインターネット放送だが、テレビにはできない魅力的な機能なんてものが実際にあるのか、あるとしたらどんな機能が候補になるのか、そういったことを順番に考えていこうと思うけど、久しぶりに長文を書いて疲れたので今日はこのへんで。